事例1・問題&再現答案


ようやく問題の写経も終了。
再現答案と併せてupします。
再現率は50%ぐらいか? 酉や魚並の記憶力なんでお許しを。


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(2006/12/14与件部分削除)


平成18年度・事例Ⅰ


第1問
中堅化学メーカーの子会社であるA社にとって、子会社であることの強みとして、どのような点を考えることができるか、また、その弱みとして、どのような点を考えることができるか。強みを(a)欄に、弱みを(b)欄に、それぞれ100字以内で述べよ。
(解答)
(a)
強みは、親会社の存在により安定的な販路を確保でき、また継続的な売上の確保もできる。また、関係会社間の再編により専門商社としての事業基盤を確保でき、親会社の援助による大規模投資案件が可能である、等である。
(b)
弱みは、親会社への売上依存により営業力が弱く、代表取締役は親会社からの転籍者であるためA社に対する忠誠心が弱く、また取締役人事や大規模投資案件は自社で決定できず、給与水準は親会社より低水準、等である。


第2問
A社の掲げた「売上高400億円、営業利益率3%」という経営ビジョンを実現していく上での事業展開について次の設問に答えよ。
(設問1)
A社が掲げた売上高400億円というビジョンを実現する上で、海外事業展開はきわめて重要である。しかし、海外事業展開は緒についたばかりで、現在は、すでに開設している東南アジアと中国華南地域の2拠点に加えて、新たな営業拠点を数カ所開設するといった初期段階である。今後、ビジョン実現に向けて事業を拡大していくためには、海外営業拠点をどのように発展的に活用していくことが考えられるか。100字以内で述べよ。
(解答)
A社は、海外の営業拠点を基盤に輸出入事業だけでなく、現地での新規顧客の開拓や顧客の動向を捉えた原材料の委託製造をコーディネートする等の事業を展開する等で、経営ビジョンの実現に向けて事業展開する。


(設問2)
事業の独立性が高まりつつあるとはいえ、親会社との取引額が40%を占めるA社にとって、親会社の動向は無視することのできない重要な要因である。事業の集中と選択を進めている親会社の動きに対して、A社はどのような事業展開を模索することができるか。その可能性について、100字以内で述べよ。
(解答)
A社は、親会社が経営の合理化・効率化を進めているため、売上が伸張する環境化学品等の分野を強化し、取引先の動向を捉えて委託製造をコーディネートする等新しい事業の展開を図り、親会社に依存しない経営を行う。


第3問
従来型商社機能に加えて、新しい事業展開を推進していくことは、経営ビジョンの達成にとっても、また今後継続的に成長を実現していく上でも重要である。それに関連して、次の設問に答えよ。
(設問1)
下図は、A社の現在の組織図である。
急速に変化する経営環境の中で、A社が新しい事業展開を推進していく上で、現在の組織には、どのようなデメリットがあるか。100字以内で述べよ。

           |−化学品部
    経営企画部  |−機能品部
      |    |−樹脂部
      |    |−環境化学
社長−−−−−−−−−−−ファインケミカル部
      |    |−海外部
      |    |−東北支店
     総務部   |−九州支店
           |−関西支店
           |−中部支店
(解答)
デメリットは、部門が取扱製品別、地域別に分かれており、これを統括する部署がないため、①部門間の意見調整に時間がかかり②上部管理者の負担が大きく③意思決定に時間がかかり④技術変化に対応できない、等である。


(設問2)
A社が新しい事業展開を推進していく上で、今後、どのような組織を構築していくことが望ましいか。100字以内で述べよ。
(解答)
A社は、急速な技術変化に対応するため、現在の製品別、地域別の組織構造を統括する部門を設置して部門間の意思決定の迅速化を図り、営業部門においては、顧客に対応した部門に再編成し、新しい事業展開を推進する。


第4問
2004年6月に成立した改正高年齢者雇用安定法に対応するために、A社では、2006年4月から再雇用制度を採用した。確かに、少子高齢化の中で、豊かな経験をもつ高年齢者の活用は、社会的に意味のあることであるし、企業にとっても貴重な経営資源の活用でもある。しかし、その反面、いくつかのデメリットもある。A社にとって、再雇用制度がもたらすデメリットについて、100字以内で述べよ。
(解答)
デメリットは、高年齢者の再雇用により、①若い管理職は自分より年配の人材を部下とするため活用が困難でモチベーションが低下し、②再雇用される人材は、給与水準が向上しないためモラールが低下する、等である。